音階を身に着ける練習

まずは歌うにあたってたくさんの人が気にする音階の練習方法のご紹介です。

なお、これからご紹介する練習方法はすべて段階があります。
1.ピアノ等の鍵盤を弾きながら一緒に声を出していく
2.声を出しながらわからなかったら鍵盤で弾いて確かめてから声をだす
3.声を出しながらわからなかったらとにかく声を出してから鍵盤で確認する

1の段階では何はともあれ耳に音階をなじませることが目的です。
2の段階では次の音を想像する力をつけます。1が十分にできていればここは飛ばせるかもしれません。
3の段階では、自分の中にできてきた音感を確かめる効果があります。
1、2と3の間には大きな違いがあり、1,2は聞いた音を出す訓練、3は自分の中にある音階を確認し、修正していく訓練です。

さて、それでは音階の練習まずはじめは
ドレミファソラシドを歌えることです。
これはドの位置はどこでもいいです。
むしろいろんな高さの音を「ド」だと思って、そこからドレミファソラシドをうたってみてください。
3回ほど違う高さのドからはじめて問題なくできる人はこの練習はもう卒業でいいでしょう。
自信をもってできなかった人はまず鍵盤の「ド」(C)の位置から歌えるように何度も練習していきましょう。
それができるようになったらきっとほかの場所からでもできるようになると思います。


さて、どこからでもドレミファソラシドができるようになったら今度はこれを上がったり下がったりの練習です。
ド ドレド ドレミレド ドレミファミレド ドレミファソファミレド 
ドレミファソラソファミレド ドレミファソラシラソファミレド 
ドレミファソラシドシラソファミレド
これをリズムに乗せて歌っていきます。
この練習、やっていると「どこまでやったっけ!?」ってなりがちです。
慣れないうちは「ドレミファソラシド」と紙に書き出して見ながらやるとやりやすいですね。
慣れたら今度は上から降りてきます。
ド ドシド ドシラシド ドシラソラシド、、、と続けていきます。
上がっていくことよりも、下がっていくことの方がなじみが少ないので不安定になりがちです。気を付けて歌ってみてください。
だんだん慣れてきたらドレミで歌うのではなく、発音をすべて「ma」だけにしてみたり、ドレミの代わりに「123」で歌ってみるのもとても練習になります。

今回は「ドからの距離」を身に着ける練習です。
前回の練習を続けることでドレミファソラシドの並びは体に染み込ませていけると思います。
ここから、例えばドからミをとる、ドからファをとる、ドからラをとることは意外と難しいものです。
そこで今回の練習。
ドレミファソラシドのそれぞれの音の前に毎回ドに戻るという練習です。
つまり
ド レ ド ミ ド ファ ド ソ ド ラ ド シ ド ド↑ ド
という流れになります。
同様に上から下がるパターン
ド↑ シ ド↑ ラ ド↑ ソ ド↑ ファ ド↑ ミ ド↑ レ ド↑ ド ド↑

やってみるとどうですか?
やっぱり上から降りてくるのは不安定になりがちですよね~
ファやミのあたりで不安定になる人がとても多いです。

さらには
ド ド↑ ド シ ド ラ ド ソ ド ファ ド ミ ド レ ド 
シの時に「あれ?」ってなった人もいるのではないですか?
最後のドレドのときの安心感たらなかったという人もたくさんいることでしょう笑

そして
ド↑ ド ド↑ レ ド↑ ミ ド↑ ファ ド↑ ソ ド↑ ラ ド↑ シ ド↑
これも最後のド↑シド↑の圧倒的な安心感。。。笑
この安心感で全ての音程を歌えたら最強ですよね。

これも慣れてきたら発音をドレミではなく、「ma」にしたり「123」にしてみてください。

さらにさらに
上級編としてはこれを半音単位でやります。
ド ド# ド レ ド レ# ド ミ ド ファ ド ファ#、、、
となります。
ここまで正確にできるようになれば、理論上、楽譜にあるすべての音を正しく出せるようになります。


ここまでの練習も正確にやろうとすると意外と難しいものです。
定期的にレッスンをしている歌手(メジャーアーティスト)でも納得いくようにできるまでには半年くらいかかったんです。

アカペラをやろうとするとどうしても音程の正確さは何よりも大事なものになりますよね。
こういった地味な個人練習が後々とても大きな力になるのでぜひコツコツ続けてくださいね!

日付:2018年10月5日

レッスン

この記事を書いた人:杉村穣

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