Acappella From America Vol. 2
- アメリカでの合唱・アカペラ文化 1 -

こんにちは。
前回から始まりましたこのコラム、ご覧くださりありがとうございます。
今日はアメリカの世間一般での合唱やアカペラ文化について、私なりの印象をお伝えします。

アメリカでは音楽が日常生活に不可欠な要素となっています。
広い国なので地域によって違いはありますが、大きな都市では通年コンサート会場での室内コンサートがあるほか、気候が良い季節には無料・有料野外コンサートが多数開催されます。

また、キリスト教やユダヤ教の浸透している国なので、毎週教会でゴスペルや賛美歌を歌い、クリスマスや年末の宗教的期間は様々な宗教歌が街角で生演奏されます。
そういった場を老若男女問わず友達と、ご夫婦で、楽しむ文化が広く浸透しています。

私の印象では、合唱団、グリークラブ、バーバーショップアカペラ、ジャズコーラス、10人以上でのアカペラが主流で、日本でいうアカペラ=1パート1人というスタイルはあまり見られません。
ペンタトニックスが有名になったきっかけのアカペラコンテスト番組、SingOffを見たことがある方はお分かりになるのではないでしょうか。
大抵のグループは1パート2人以上、全体で10—15人という編成が主流です。

高校・大学ではアカペラや合唱サークルが一つの学校に複数あります。
バークリー音大ではSingOffで優勝したことがあるPitchSlappedというサークルが最も大きいアカペラサークルですが、他にも男性だけ、女性だけ、映画音楽だけ歌う、などなど、各サークルそれぞれに特徴があります。

実は私、現在このコラムをメキシコで書いています。
この2週間、メキシコのトルーカという都市を中心に演奏旅行中で、バークリーの卒業生や現役生ら総勢15名で主催者のお家で一緒に生活しています。
バークリーの男声アカペラサークル所属者も数人一緒にいるので、次回のコラムではバークリーやボストンの大学アカペラサークル事情について、彼らに少し話を聞いてみなさんにお伝えしたいと思います。
お楽しみに!

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中山義恵
LA在住のプロデューサー、トロンボーン奏者、シンガー。
バークリー音楽大学コンテンポラリー・ライティング&プロダクション専攻専門課程から奨学金を得て首席卒業。
同学科より功績賞授賞。
国立音楽大学音楽教育専攻卒業、音楽学士と中学/高等学校音楽教員免許を取得。

(敬称略)ジョイス・モレノ、ミルトン・ナシメント、スナーキー・パピー、ウーマン・オブ・ザ・ワールド、カラー・ビオレッタなど世界的アーティストのコンサートにて編曲家として携わり、ジョイス・モレノ、ジェイコブ・コリアー、ジョージ・ギャルソン、ジョン・パティトゥッチ、ダニー・リベラ、アンブローズ・アキンムシーレ、ステフォン・ハリス、リズ・ライト、ティア・フラー、タイガー大越、阿部恒憲ら音楽史に残るアーティストとコンサートやレコーディングにて共演。ボストン・シンフォニーホール、マサチューセッツ州会議事堂、ボストン大学アガニス・アリーナ、マサチューセッツ工科大学クレスゲ音楽堂、ハーバード大学、コットンクラブ東京など、歴史ある会場での演奏や朝日合唱コンクール全国大会金賞受賞などを経験している。

また、北米最大ラテン系テレビ局ユニビジョンによるテレビ生中継イベント「ライズアップ・アズ・ワン」にて、ラテン・グラミー賞を19回、グラミー賞を3回受賞しているシンガー・ソングライター、アレハンドロ・サンツの音楽プロデューサー兼トロンボーン奏者として携わった。同イベントは世界8億人に生中継された。

得意とするのはアカペラ作品だが、ピアノ、弦楽アンサンブル、バンド、ビッグバンド、オーケストラなど様々な楽器編成に渡り、ジャンルも、ジャズ、民族音楽、モータウン、ラテン、アフリカン、ポップス、エレクトリック・ポップス、CM音楽など多岐に渡る。
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日付:2018年10月2日

海外

この記事を書いた人:中山

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