民謡は特定の作者がおらず、無名の人々によって歌い継がれてきた民族の遺産である。形を持たないが、その音楽の中に民族固有の歴史、信仰、文化が克明に刻み込まれており、また伝承してきた民衆の生活感情が映し出されている。長い時を堪えて現代に伝わる民謡は多くの作曲家にインスピレーションを与え、数多くの作品が生み出されてきた。
E・グリークの遺作『四つの詩篇』はノルウェーの山岳地方に伝わる旋律をもとにした作品で、20世紀の幕開けに真に民族的な響きへの最初の扉を開いた。現代においても民謡を文化の基層として重んじる北欧・バルト諸国では、自然との対話、そして自国のアイデンティティを守る戦いの歴史が刻印された新しい作品が次々生み出されている。そして間宮芳生による『五つのピエタ』は、東北の厳しい自然とともに生きた民衆の辛苦と哀しみを民謡旋律のコラージュで再び浮き上がらせ、独自の音世界を描き出す。
無伴奏合唱という人間の声のみによる楽器によって、民謡に刻印された(engraved)名もなき人々の記憶と交信しながら、現代において民謡が潜在的に持つ魅力と創造性を明らかにしようとするプログラムである。
・団体について
AcappelLabo(アカペラボ)
株式会社AcappelLaboに所属する「Vocal Ensemble 歌譜喜」「女声アンサンブル八重桜」「emulsion」のメンバーを中心とする合唱集団。
主宰の富本は、大学生時代に海外の合唱コンクールや合唱フェスティバルに複数回参加した経験から「日本でも世界のトップレベルの合唱団の演奏を身近に聴けるような未来を創りたい」と志し、演奏会の企画運営を行なっている。
各団体の演奏会ならびに、室内合唱団としての演奏会「AcappelLabo Concert」は非常に好評で、首都圏以外での開催を期待する声も多い。
・Member
指揮 佐藤拓
ソプラノ
稲村麻衣子、大澤桃佳、鏑木綾、對馬香、山中さゆり
アルト
小林祐美、瀬戸翔吾、田中寛、谷郁
テナー
菊地海杜、富本泰成、柳嶋耕太、渡辺研一郎
ベース
井上優、大津康平、清水健太郎、谷本喜基、浜田広志、松井永太郎
・Program
Edvard Grieg :Fire Salmer(四つの詩篇)
Jan Sandström :Biegga luohte(山風のヨイク)
Veljo Tormis :Kihnu Pulmalaulud(キフヌ島の婚礼の歌)
Laura Jēkabsone:Divʼ dūjiņas gaisā skrēja(二羽の鳩が飛ぶ)
Juris Vaivods :Muote dieleņu auklēja(母は息子を育てた)
Evija Skuķe :Naraudavu(私は死者のために泣かない)
間宮芳生 :合唱のためのコンポジション第17番より 宇曾利
五つのピエタ
AcappelLabo Concert Vol.6 〜engraved 刻印されたもの〜
AcappelLabo Concert Vol.6 〜engraved 刻印されたもの〜
イベント開催地
アクセス方法
JR京葉線・武蔵野線 新浦安駅南口から徒歩1分